「こんな事言ったら依良には引かれるかもしれないけど、俺は好きな人が他の男とくっつく事なんて祝福しない。
他の男とくっつくくらいなら一生誰のものにもさせない」
遥くんの声はあまりにも真剣で、あまりにも冷たい。
「その人が俺の事を好きじゃなくても、泣いても、一生縛りつけてでも、誰にも渡さない」
「遥くん……、」
遥くんのあまりの冷たい声に声が震える。
それに気づいた遥くんはハッとした様に私の方を見た。
「ごめん依良、怖がらせたね」
「ううん…」
別に怖かった訳じゃない。
「でも、俺はそう思う。好きな人を誰にも渡したくない。すごく幼稚で自分勝手だとしても」
ただ、私も遥くんにそう思われたいと思ったんだ。
そして遥くんにそう思われてるだろう皐月さんがすごく羨ましく思えた。
そしてそれと同時に私は遥くんから離れる事など出来ないと悟った。
だって、遥くんが“いいよ”って言ってる様に聞こえた。
勘違い女と言われてもいい。都合の良すぎる頭だと言われてもいい。
遥くんの言葉は、“婚約者がいても好きでいていいよ”って聞こえたんだ。
そんな事遥くんは考えてないんだろうけど、都合の良すぎるお花畑脳の私にはそう聞こえたんだ。



