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「依良?どうかした?」
「………っえ、…あ、ごめんね」
あの後絢人は普段の絢人に戻ったけど、絢人があんなに私の思ってる事をズバッと言ったから私は暫く落ち着かなかった。
だけど絢人が普段の様にからかったりしてきたからか段々私も普段の様に絢人と接して…。
だけど絢人に言われた言葉はずっと胸に引っ掛かったまま。
絢人は遥くんを諦めろって言いたかったのかもしれない。
悶々とそんな事を考えているから遥くんも私の変な様子に気づいてる。
「体調悪い?」
「そんな事ないよ、大丈夫」
せっかく遥くんと居られるのに…、ずっとモヤモヤする。
「………何かあったの?」
「なんでもないよ…」
遥くんの真っ直ぐな視線が突き刺さって痛い。
「本当に何でもないの?」
「うん、何でもない」
「俺には言えない事?」
「………っ」
遥くんの悲しそうな声に思わず身体が固まった。
私を見る瞳もどことなく寂しそうに見える。
「俺には、話したくない?」
すぐ近くに居る遥くんの悲しそうな声に私の心はグラグラ揺れる。
遥くんに話したいよ、遥くんに聞きたいよ。
でも遥くんには話したらダメなの。
私の好きな人は遥くんだって、バレちゃうから。
だけど、
「依良…」
と寂しそうに私の名前を呼ぶ遥くんに話せないなんて言う事も出来ない。
「………っ遥くんは、」
ポロっと自然と口から言葉が出てくる。
「遥くんはっ、好きな人にか、彼女がいたりしたら…どうするっ…?」
私の腰に回されていた遥くんの手に力が入ったのを感じた。



