インナモラート 【完】



「ただいまー」


「お邪魔します、って、霞さんいないの?」


「うん、ママは大体友達とランチしたりしてるから」




家には私と絢人の二人きりだった。




取り合えずリビングへと移動した私達。


今日はテストだったから帰りが早くて時計を見るとまだ12時を回ったところだった。





「絢人、お腹空かない?簡単なものでいいなら作るよ」


「空いた、作って」


リビングのソファーに座る絢人に言うと絢人は嬉しそうに頷く。



「わかった、ちょっと待っててね」


絢人にそう言い残してキッチンに立つ。



何を作ろうかと冷蔵庫を開けてみると、冷凍されているご飯があった。

今から新しく炊くと時間かかるしこれを使おう。


他にある食材を見ると鶏肉や人参があった。




そうだ!



何を作るか決めてからはすぐに料理に取りかかった。






「出来たよ」


食事用のテーブルに完成したオムライスを置く。





「オムライスじゃん!うまそー」


「うん、絢人好きでしょ?」


「好き、ありがとな」


オムライスが好きな意外と庶民派の絢人。

材料を見てオムライスを作ったら喜んでくれるかなと思ったんだ。



「しかもケチャップで“あやと”って書いてあんだけど」


「書くこと思いつかなくて名前でいいかなって」


「適当かよ、まあでも嬉しい。食べていい?」



いいよと言うと絢人はオムライスを一口口に運んだ。




「ん、美味しい」


「本当?良かったぁ」


「ご飯は冷凍らしいけど、今まで食べたオムライスの中で一番美味しい」



冷凍のご飯を使った事バレてたんだ…。



「誉めてるの、貶してるの、どっち?」


「誉めてる誉めてる」



そう話ながらも絢人はパクパクとオムライスを口に入れていく。



喜んでもらえて良かった…。