「エミちゃんに届けられて良かったね。大切なものだったみたいだし」
「そうだね」
「それにしても良く見てるね、絢人」
廊下を歩きながら絢人に言う。
「なにが?」
「あのシーグラスがエミちゃんのだって」
「前に鞄に付けてるの見たからね」
「そうだったとしても普通覚えてないよ」
「俺よく人の事見てるもん」
「そうかもしれないけどさ、」
「ついでに言うと人の事をよく見てるから考えてる事もよくわかる」
「絢人…?」
絢人が真剣な瞳で私の事を捉えた。
「依良の考えてる事もよくわかるよ」
「え……?」
「もしかしたら依良自身よりもわかってるかもしれない」
そう言った絢人の言葉の意味はあんまり理解できない。
だけどその言葉に自棄に心がザワザワした。
「ほら、早く教室行くよ」
真剣な瞳からいつもの表情に戻った絢人はお弁当箱を持って立ち尽くす私にそう言って足を進めた。
「うん……」
どうして心がザワザワするんだろう。
考えても考えてもわからなかった。



