インナモラート 【完】



翌日の朝、学校の支度を部屋でしていると栞から電話が掛かってきた。


こんな時間に珍しいと思いつつも電話に出てみると、


『依良ー、今日学校休むね』


と言ういつもの栞に比べたら随分と静かな声が聞こえてきた。




「栞?どうかしたの?風邪とか?」


『風邪ではないよ、微熱があるくらいで…』


「大丈夫なの?」


『全然大丈夫だよ。ただもうすぐテストだし、無理して当日悪化するより念のため今日休むだけだから』



栞はそういうけどやっぱり元気がない栞の声。




「休む事はわかったけど…放課後お見舞い行こうか?」


『お見舞いなんて大袈裟だよー。本当に微熱だから』


「でも心配だよ……」


『ありがとう、気持ちだけ受け取っておくね。でも万が一依良に移しちゃったら嫌だし…明日には元気いっぱいになってるから…!』



そう言われると、何も言えない。

お見舞いに行って栞に気を使わせてしまうのも申し訳ないし……。



「わかった。お大事にね?」


『うん、そうする。じゃあまた明日ね』


「うん、学校で待ってるね」




そう言って電話を切った。