「依良、俺今日帰り用あるから」
ボーッと窓の外を見ていると絢人が言った。
「ん、わかった」
「帰り別々なんだぜ?寂しくねーの?」
わざとらしく切なそうな声を出し
長い綺麗な指でクルクルと私の髪の毛で遊ぶ絢人。
「寂しくないよ、それに今日は遥くんと会うんだもん」
放課後になったら遥くんに会えると思うだけで顔が綻ぶ。
「チッ」
そんな私に絢人は舌打ちを落とした。
「舌打ちしないで」
「ムカつく」
「え?」
絢人は何故か不機嫌になって、綺麗な顔を不貞腐せながら私の髪の毛をクルクルしている。
あんまり髪の毛で遊ばないでほしいなぁ…。
と思っても絢人には何を言っても無駄な事は分かってるから絢人をそのままに外の景色に目を向けた。



