「遥くん…あの、」
『依良、今少し…出てこれる?』
“昨日はごめんなさい”そう言おうとした私を遮り、そう言った遥くん。
「今、?」
『依良の家の前に居るんだけど、少し話せないかな』
「えっ…、」
その言葉を聞いて部屋のカーテンを開けて下を見ると、確かに家の前に遥くんの姿があった。
遥くんの姿を見ただけで、胸が締め付けられてドキドキと煩くなる。
そこに昨日までは感じなかった切なさも入り交じる。
『ダメかな』
「ダメじゃないよ、今行くから待ってて」
私はそう言うと電話を切り、急いで階段をかけ降りて玄関の扉を開けた。
「依良」
「遥くんっ…」
家の前に立っていた遥くんの所まで駆け寄った。



