朝、車で家の前まで来てくれた絢人に挨拶をして、車に乗せてもらう。


今日も前園さんは爽やかな笑みを向けてくれた。




「昨日は色々とごめんね」


横に座る絢人はふあぁ…と大きな欠伸をしていて、私のせいで寝不足なのかなと思った。




「依良は?もう大丈夫…とはいかないけど少しは元気になった?」


「……うん。いつまでも泣いてる訳にはいかないよ」


本当はまだまだ泣きたいし、遥くんの婚約の事は頭から離れないけどずっと泣いてる訳にはいかないのも事実で。




「昨日はありがとう、情けない所ばっか見せちゃったけど、絢人が居てくれて良かった」


「ん、」


素直にお礼を言えば絢人は優しく笑ってくれた。