翌朝目が覚めると絢人の姿はなかった。
昨日は色々あったから甘え過ぎてしまったけど、今考えてみれば相当恥ずかしい所を見せたし迷惑をかけてしまった。
今日ちゃんと謝ってお礼を言わなくちゃ。
そう決めて階段を下りるとリビングの方からいい香りがしてきた。
「おはよう」
リビングのドアを開けて朝食を作ってるママと新聞を読みながらコーヒーを飲んでいるパパに声をかける。
「おはよう」
「おはよう依良」
私に気づいた二人はそう返してくれて、私がダイニングテーブルに座ろうとするとママが近づいてきた。
「依良」
「なに?」
ママの心配そうな元気のない表情に、胸がチクッと痛んだ。



