その日、絢人は夜遅くまで私と一緒に居てくれた。
家でご飯を食べて、
パパとママを心配させないように取り繕う私のフォローもしてくれて、
私がベッドに入ってもそばに居てくれて、
「大丈夫」と言う私にただ優しく笑って、そばに居てくれた。
ベッドの縁に肘を立てて、私が眠りにつくのを見守ってくれてる絢人。
子どもみたいで、迷惑かけすぎてて、自分が情けなくなる。
「ごめんね、甘えてばっかりで…」
「依良なら大歓迎なんだけど。まあ俺も自分で甘やかしてるなーとは思うけど」
「……っ迷惑いっぱいかけてるよね、私」
「俺が好きでそばにいるんだよ」
「…………っありがとう、絢人」
昔から絢人に甘えてばっかりなのに、絢人は嫌がる事なんて一度もない。
優し過ぎるんだ、絢人は。
その優しさにいつも救われてきた。
「依良、もう寝な」
「うん…」
そう言った絢人は私の前髪を一撫でした。
その行為に、私は目を閉じた。
その瞬間、目の前は真っ暗になる。
真っ暗になった目の前には、遥くんと皐月さんの姿が浮かぶ。
「…………っ、」
「依良?」
瞼の裏に浮かんだ二人の姿に、私の目からは涙が出ていた。



