「真っ赤」


「うるさいっ…、本当チャラい、本当やだ…」



ブンブンと首を横に振って顔の赤さを誤魔化す私を見て嬉しそうに笑う絢人は確信犯。

私が取り乱すのが面白いんだ。




絢人の女の子慣れと遥くんの女の子慣れは少し違う。

遥くんが天然たらしなら、絢人は女の子が喜んだり照れたりする事を計算でするタイプ。




だからいつも私をからかうんだ。







「もう絢人なんてしらない」


「ごめんって」


フン、と顔を背けた私の髪をまた撫でだした絢人。

絶対ごめんなんて思ってない。



「いつもからかってばっか…」


「別にからかってる訳じゃないんだけどさ…」


「なに…?」


「何でもないよ」




絢人の言葉はよく聞き取れなかった。