クッキーをラッピングし終えると、一度自分の部屋に行きもう一つのプレゼントが入った袋を持つ。
「なに?それ」
「ハンカチだよ、これもプレゼントなの」
考えに考え抜いて決めたプレゼント。
今までにハンカチをプレゼントした事はないし、ハンカチなら実用性もあるしいいかなと思ったんだ。
遥くんが良く使っている超高級ブランドのハンカチは買えないけど、数ヵ月のお小遣いを貯めて買ったブランドのハンカチ。
白い生地に刺繍が施されていて、遥くんの好みに合うものを選んだつもりだ。
最後に、
“お誕生日おめでとう”
とメッセージカードをクッキーの袋に添えて。
「準備出来たよ」
「ん、じゃあ行こうか」
家を出た。



