銀色や赤色、中には何の光なんだろうか、青色やピンク色の光まであって、それらはまるで宝石の海の様だ。
「すごいっ…!綺麗だね、絢人!」
バルコニーの手すりに腕を乗せている隣の絢人を見れば絢人はすごく優しい表情で私を見ていた。
「依良なら絶対そう言うと思った」
…そうか、絢人は私がこうやって喜ぶのをわかってて連れてきてくれたのか。
そう思ったら心がポカポカしてきて、何でかわからないけど涙が出そうになった。
「ありがとう、絢人」
「喜んでくれたなら良かったよ」
そう言った絢人が顔を前へと戻したから私も顔を目の前に広がる夜景へと戻した。
私は遥くんと皐月さんの事で嵐のようにモヤモヤしていた気持ちが、段々と和らいでいくのを感じていた。
ズキズキして、モヤモヤして、マイナスな気持ちばかりだったのに、それが今この瞬間では穏やかな気持ちになれている。
それは輝く夜景を見たからか、
それとも隣に絢人が居るからなのか、
私にはわからない。



