「絢人、いいの?」


手を引かれながら聞く。


「なにか?」


「女の人達…」


「いいでしょ別に、本当の事だし」



女の人達には悪いと思うけど、あの空間から抜け出させてくれた絢人には感謝だ。

それにきっと私を庇ってくれたんだと思うから。



「ありがとう」


そう伝えると絢人は優しく笑った。






そしてお料理が振る舞われている場所まで連れてきてくれた絢人は私が食べたいと言ったローストビーフを取ってくれて、二人でテーブルへと向かった。





「あ、飲み物忘れてた、ちょっと取ってくるから待っててね」



テーブルにつくと絢人はそれだけ言ってどこかへ行ってしまった。





なんだか全部絢人にしてもらっちゃってるなぁ…。
次お料理取りに行く時は私が取ってこよう…!




一人そう決めた時、



「すいません」


と横から声がして、私は声のした方へと目線を向けた。