「遥くん、このネックレス…」
「ああ、ドレスに合うと思って、気に入ってくれた?」
「うん!ピンクのダイヤモンドなんて初めて見たけど可愛いね!……でも、」
「でも……?」
私はキョロキョロと目線をさ迷わせた。
「依良?」
「……私には勿体ないというか、ダイヤモンドなんて初めてつけるから…」
小さく呟くと遥くんはふっと笑った。
「そんな事思わなくていいよ、依良に似合ってるから。むしろネックレスの方が依良には勿体ないくらいだよ」
「………ありがとう…」
遥くんは絶対ありえないような事を言ったけど、素直にお礼を言った。
「それプレゼントだからちゃんと受け取ってね」
「それは……」
「受け取ってね?」
「でもこんな高いもの…」
「依良に何をプレゼントするかは俺の勝手でしょ?」
「だけど…」
「それともそのネックレスじゃ不満?」
「………っ、意地悪だよ」
そんな事言われたらもう何も言えないじゃない。
「受け取ってよ、ね?」
「…………本当の本当の本当にいいの?」
「いいよ」
「本気?」
「もちろん」
……変な所で強引な遥くん、今日は遥くんの誕生日パーティーのはずなんだけどな、
だけど遥くんは絶対に引き下がらないだろうから、私はぎこちなく頷いた。
「ありがとう遥くん」
「どういたしまして」



