「絢人っ、ど、どうかな…?」
さっき鏡で自分の姿を見たけれど、自分とは思えないほど大人っぽく変身していた。
お手伝いの人が施してくれたメイクのおかげだ。
だけどどうしても不安になる。
変じゃないかな?と。
そんな私に絢人は一瞬目を見開いた後、愛しそうに微笑む。
「似合ってるよ」
「ほ、本当に…?」
「ああ、可愛い」
「よかった…」
絢人の言葉に顔が綻んだ。
「さ、依良の着替えも終わったしそろそろ会場に行こう」
絢人がそう言ってドレスで歩きにくい私に手を差し伸べてくれて、
「ありがとう」
差し伸べられた手にそっと、自分の手を重ねれば絢人は微笑んでエスコートしてくれた。
そしてそのまま滝川家から程近いパーティー会場へと向かった。



