「送ってくれてありがとう、帰り気をつけてね」
「すぐそこだよ」
家まで送り届けてくれた遥くんにそう言うとクスりと笑われてしまった。
私には危ないからと言うくせに自分の時はすぐそこなんて納得いかない。
「そうだけど、気をつけてね」
念を押す私に遥くんは「はいはい」なんて気の抜ける事を言う。
「ほら、早く入りな」
そんな遥くんを不満気に見ていると私の視線に気づいたのか遥くんがそう言って家の方に目配せした。
「…うん」
遥くんに言われて頷くと、ふわりと頭をポンポンとされ、
「また明日」
と微笑みかけられた。
「また明日ね、遥くん」
離れるのは名残惜しいけど、明日も遥くんに会えると思うと胸が弾む。
私が家の中に入るまで見届けてくれる遥くんに手を振りながら家の中に入った。
家の中に入った瞬間に香るのはママの美味しい手料理の香り。
軽い足取りでリビングへと向かった。



