「遥くん…」
私に跨がる遥くんを見上げる。
遥くんの表情は何だか荒々しさがあって、こんな遥くんを見るのは初めてだ。
「依良は好きな人はいるの?」
そんな戸惑う私なんてお構いなしに遥くんはよくわからない事を聞く。
「好きな、ひと…?」
どうしてそんな事を聞くのかわからない。
「どうして…、」
「いるのかって聞いてるの」
すぐに答えを出さなかったからか珍しくイライラし出した遥くん。
今日の遥くんは変だ。
そう思うけど、遥くんがイライラしてるから早く答えなきゃいけない。
だけど何て言えばいいの?
私の好きな人は遥くん。
だけどそんな事本人に言えるわけないよ。
「……早く答えて」
遥くんの急かすようなイライラした口調に
「いないよ…」
震える声でそう言った。



