「依良…」
遥くんは私を抱き締める様にして、切なすぎる声で名前を呼びながら
首筋に顔を埋めていく。
だけどもう決して唇が触れる事はない。
ただ、匂いを嗅ぐ様に、温もりを感じる様に、存在を確かめる様に、顔を寄せるだけ。
「…っ遥くん…やっ、」
その行為が恥ずかしくて、手を遥くんの胸元に持っていき押すけど私の力なんかでは遥くんをどかすことは出来ない。
どうしたの、遥くん。
恥ずかしいよ、ドキドキしておかしくなりそうだよ。
身体が熱くなって、訳もわからず涙か出そうになった時
だった。
首筋に顔を埋めていた遥くんが顔を上げたのは。



