インナモラート 【完】



「遥くんっ…」


「依良」


頬に当たる遥くんの髪の毛が擽ったくて、

だけどそれ以上に遥くんの息が首にかかってゾクゾクする。



なにが起きてるのか全く理解できない。







「遥くん、どうし、ひゃっ…、」




一瞬だった。

唇かどうかなんてよくわからない。

だけど少しだけ冷たくて、柔らかい首筋に当たったそれは唇だと認識するのには十分で。





キスとは言えないかもしれないそれに私の顔は真っ赤に染まった。





顔を上げた遥くんは私の林檎の様な顔を見て



「可愛い、依良」



と言うと再び顔を私に埋めた。




こんな時にまでいつもの甘いセリフを言う遥くんは狡いよ。





「遥くんっ…」



ドキドキして、恥ずかしくて、手が震える。

緊張でおかしくなる。