翌朝、いつもの様に迎えに来てくれた絢人。
だけどその表情はいつもと違って固い。
まるで昨日の歩人さんと千架さんの様に。
「絢人、どうしたの?」
「なにが?」
私にどうかしたのかと聞かれたからか絢人は固かった表情をいつもの様に戻した。
だけどそれが無理に戻したものだとわかる。
「なにがじゃなくて…具合悪いの?」
「別に元気だよ」
「なら…」
「何でもないよ」
どうしたの?と聞こうとした私の言葉を絢人が遮る。
「何でもないよ、依良」
「………そう」
これ以上聞かせないと言わんばかりにもう一度言う絢人。
そんな真剣な瞳で見られたら私は引き下がるしかない。
「そんな顔しなくても、依良が心配になる事は何もないから」
優しく笑って私の髪の毛を撫でてくれる絢人は、いつもの絢人ではなかった。



