私から離れた絢人は 「そろそろ帰る?」 と言うから私はそれに頷いた。 「あれ、父さん」 部屋を出て廊下を歩いていると前から歩人さんと千架さんが歩いてきていた。 「絢人か、…依良ちゃんも」 「お邪魔してます」 私に気づいた歩人さんと千架さんは優しい笑顔を向けてくれる。 けど、何だか二人の笑顔はいつもと違った。 笑顔を向けているのに、固い表情を隠せていない。 どうかしたのかなと思ってもそれは私が聞くべき事じゃない。 隣の絢人を見てもその違和感に気づいた様で不思議そうな顔をしている。