『雅ー!!お疲れ!今日も一緒に帰る?』

『おう、一緒に帰ろうぜ。』


史華と交わすこんな何気ない会計がすごく幸せだった。


けれど、その幸せは、突如として崩れた……




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その日は、サッカー部内でインフルエンザが流行っていたために、部活が休みだった。


史華からは、今日は友達と寄り道するから帰れない、と言われていたので、久しぶりに祐介と帰っていた。


祐介は、一つ上だけど、家も近く、小さい頃からずっと一緒だったので、本当の兄のような存在だった。


「雅、今日母さんが、ぜひ家に寄って夕ご飯食べて行って言ってましたよ。雅の母さんには前もって言っておいてあるから、と。」


祐介が敬語なのは、昔から。


小学生の頃は、既に、敬語の優等生男子で通っていた。


…ってそうじゃなくて。


「そういうことは先に言っておけよ、クソババア…」