「私、信用されてないのかなぁ。それか、会わせるのが恥ずかしい、とか?」

考えるのも嫌だけどこんな状況で一人でいたら、さっきまでの努力も虚しく考えはどんどん悪い方へ転がっていく。

だから、どれだけ考えても答えは出ないのだから不健全だと自分に釘を刺し、私は無理矢理に思考を止める。

「とりあえず『神様に信用されてる』人間は食べて寝て、ちゃんも生きないと」

自分に言い聞かせると、冷蔵庫にある残り物を取り出して、お腹を満たすだけの食事を取る。

ほんの少し前、修吾さんの優しさに溺れる前までは、辛い事があってもこうやって自分を叱咤して意地を張って生きてきたんだから慣れたものだ。一人で生きてきた十年、逃れられない難題にぶつかった時に歯を食いしばってやり過ごしてきたのも一度や二度じゃない。
だから今度だって全然大丈夫。だって私は『神様に信用されてる』んだから。頑張っていればそのうちきっと……

『ご褒美も神様の計画のうちだよ』

不意に優しい修吾さんの口調が蘇ってぽろぽろと涙が溢れた。