後は一人で踏ん張っていきていくのだと覚悟を決めて、必要以上に自立を目指してきた。
「新卒で入った会社が物凄くブラックで、半年で精神的にも肉体的にもダメージきちゃって辞めたんです。でもそのあとすぐに派遣で仕事見つけて働いてきたので、まぁそんな大変な事もなかったです」
わざと淡々と軽い口調で話したのに、深刻にしないという挑戦には失敗したらしい。私を見つめる修吾さんの眉間には深いしわが刻まれている。
「高校生の時から誰にも頼らずに生きてきて、大変じゃない訳ない」
「まぁそうなんですけどね。でも改めて考えてみると必要以上に自分を追い込んでいたと言いますか、自分から孤立していってたところもあるんじゃないか、と最近気付いたので」
照れくさくてごまかしたけれど、本当は最近じゃなくてついさっき気付いた。
修吾さんに心配してもらって、初めて自分から人を遠ざけていたことに、自分が心を閉ざしてしまっていたことに気付けたのだ。
思い返してみれば煩雑な手続きを教えてくれた母の同僚さんだって、私を心配してくれていたから丁寧に教えてくれたのだ。それを「保険屋さんだから」とか「保険の受取の手続きのながれだから」と決め込んで、最初から壁を作っていた。こちらから頼ることも連絡を取ることすらしなかった。
書類上の保護者になってくれた親戚だって私が歩み寄れば向こうも歩み寄ってくれたかもしれないのだ。
「新卒で入った会社が物凄くブラックで、半年で精神的にも肉体的にもダメージきちゃって辞めたんです。でもそのあとすぐに派遣で仕事見つけて働いてきたので、まぁそんな大変な事もなかったです」
わざと淡々と軽い口調で話したのに、深刻にしないという挑戦には失敗したらしい。私を見つめる修吾さんの眉間には深いしわが刻まれている。
「高校生の時から誰にも頼らずに生きてきて、大変じゃない訳ない」
「まぁそうなんですけどね。でも改めて考えてみると必要以上に自分を追い込んでいたと言いますか、自分から孤立していってたところもあるんじゃないか、と最近気付いたので」
照れくさくてごまかしたけれど、本当は最近じゃなくてついさっき気付いた。
修吾さんに心配してもらって、初めて自分から人を遠ざけていたことに、自分が心を閉ざしてしまっていたことに気付けたのだ。
思い返してみれば煩雑な手続きを教えてくれた母の同僚さんだって、私を心配してくれていたから丁寧に教えてくれたのだ。それを「保険屋さんだから」とか「保険の受取の手続きのながれだから」と決め込んで、最初から壁を作っていた。こちらから頼ることも連絡を取ることすらしなかった。
書類上の保護者になってくれた親戚だって私が歩み寄れば向こうも歩み寄ってくれたかもしれないのだ。

