あまりに唐突過ぎる会話と会社の人間に会わない為に少し離れた店を指定された事。それらが合わさって「こんな場所に呼び出すって事はやはり聞き間違いじゃなかったんだろうか?」とか「ロボットみたいなくせにお洒落な店知ってるんだ」とか、とりあえず興味は惹かれる。

しかもこんな密会の約束みたいなメモをもらったのに不思議と気持ち悪さも感じないのは、高崎主任への信用があるからだろうか。

「ま、気分転換になるしね」

今日は真っ直ぐ家に帰ってもモヤモヤするだけだし、行かなかったら後々まで気になるだろう。
私は行く決心を正当化する理由を幾つか考えながら、メモをポケットにそっとしまった。