スマホの裏側を確認してみると、同じプリクラが貼ってあるのがわかった。


「だけど、ここに来る前に家に置いてきたよ」


穂香が早口で説明する。


「そうだよね……?」


その時はあたしも一緒にいたから、勘違いでもなんでもない。


穂香は確かに3台の古いスマホを自分の家に置いてきたはずだった。


「なんでここにあるんだろう……」


手の中のスマホを見つめて呟く。


「やだ、なんか気味悪い」


穂香の顔色は悪くなり、ブルリと強く身震いをした。


「どうする? 持って帰る?」


「嫌だよ。そんなの、もういらない」


スマホを自分から遠ざけるようにしてそう答える穂香。


「それなら、ゴミに出しちゃおうか」


ちょうど、明日は燃えないゴミの日だ。


うちの家庭ごみの中に入れてしまえばいいんだ。