@YUMI KO

ほんの少し前まで妄想に浸っていた穂香は、我に返ったように瞬きをしている。


「今の音、なに?」


そう言って部屋の中を見回す。


部屋の中にはあたしとナナカしかいないし、変わった様子も見られない。


棚から物が落ちたかな?


そう思って視線を本棚へ向けた時だった。


棚の下にソレがあることに気が付いてあたしは眉を寄せた。


近づいて、その中の1つを手に取る。


「これ……」


そう言い、手の中の物を穂香へ見せた。


「え、なんで?」


穂香は明らかに動揺し、慌ててあたしの隣へやってきた。


そして残り2台のソレを見つめて青ざめる。


「このスマホ、今日学校のゴミ箱から出て来たやつだよね?」


あたしが聞くと、穂香は何度も頷いて肯定した。