「スマホ!?」


あたしは驚いて声を上げた。


学校のゴミ箱にスマホを捨てるなんてありえない。


それとも、誰かがイジメられていて捨てられてしまったんだろうか?


色々な考えがめぐる中、穂香の青ざめた顔が見えた。


「これ……あたしのスマホ」


そう言い、自分の手の中にあるスマホを見つめる。


「え? 穂香のスマホって白色じゃなかった?」


穂香の手に持たれているスマホはピンク色だ。


「違うよ、1年前まで使ってたやつだよ」


その言葉にあたしは目を見開いた。


「どういうこと? 昔使ってたスマホがゴミ箱から出て来たの?」


あたしはそう質問しながらゴミ箱の中を確認した。


中にはまだ紙くずなどが残されている。


「ちょっと、コンテナにうつす前に確認していい?」


穂香にそう言われ、あたしはゴミ箱を地面に向けてひっくり返した。