ゴミ捨て場所は校舎裏にあった。


あたしと穂香は2人でゴミ箱を持ち、そこまで向かう。


このゴミを捨てたら今日の掃除は終わりだ。


「あれ。今日は先生がいないね」


ゴミ捨て場までやって来て、穂香がそう言った。


いつも先生が1人いて、大きなコンテナにゴミをうつすのを手伝ってくれるのだ。


でも、今日は誰もいなかった。


「ま、いっか」


そう言ってコンテナの前まで移動し、ゴミ箱を逆さまにする。


ザラザラとゴミが落下していく時、不意に穂香が「ちょっと待って!」と、声を上げた。


「なに?」


半分ほどゴミを捨てたところで止めて、あたしは聞いた。


「ごめん。ゴミ箱の中を見せて」


なにか、捨てちゃダメなものが一緒に入っていたのだろうか?


そう思っていたのだけれど……。


穂香が腕を突っ込んで引っ張り出したソレは、誰かのスマホだったのだ。