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翌日、あたしは寝不足のまま家を出ていた。


昨日のあれはなんだったのか。


どうして夢の中のあの女とエマを見間違えたのか。


考えてみてもわからなかった。


あたしは一体どうしてしまったんだろうか。


「大丈夫か?」


あたしの前を歩いていた貴久が心配そうに声をかけて来た。


「うん……」


頷いたものの、気分は良くなかった。


エマの言っていた『ユミコさんからの電話』という言葉もずっと気になっている。


そのため、昨日はほとんど眠ることができなかったのだ。


「理香先生のことか?」


そう聞かれてあたしは理香先生がいなくなったことを思い出した。


「昨日、警察に連絡したみたいだよ」


「穂香が言ってな」


「うん。早く見つかるといいけど……」