エマを抱き上げながらそう聞かれて、あたしは一瞬返事ができなかった。


「えっと……あの……」


あたしがエマをベッドから突き落とした?


その事実に気が付いて、自分の両手を見つめた。


いや、違う。


あたしが付き飛ばしたのはあの女のはずだった。


エマじゃない!


それでもエマは泣きじゃくってあたしの方を見ようとしない。


「もういいわ。明日も学校なんだから早く寝なさい」


お母さんはエマを抱きかかえたまま、あたしの部屋から出て行ったのだった。