そんな光景を横目に見ながら穂香の家も通り過ぎて、3軒先の家で立ちどまった。


表札には赤谷と書かれている。


ここが理香先生の家みたいだ。


穂香の家と、本当に目と鼻の先くらいの近さで驚いた。


穂香が先頭に立ち、玄関チャイムを鳴らす。


すると中からバタバタと慌ただしい足音が聞こえてきて、すぐに男性が出て来た。


70代前半くらいのその人は、理香先生のお父さんのようだ。


理香先生のお父さんの後ろからは、お母さんらしき人もついて来ている。


きっと、理香先生の帰りを待っていたのだろう。


そう考えると胸がチクリと痛くなった。


「あぁ……穂香ちゃんか……」


穂香の顔を見た瞬間、少しガッカリした表情になる理香先生のお父さん。


やっぱり、理香先生の帰りを今か今かと待ち続けていたみたいだ。