@YUMI KO

スマホはそれで静かになった。


ホッと息をついて目を閉じる。


それから15分後……プルルルルップルルルルッ。


再び私の脳は叩き起こされてしまった。


さっきから何度も何度も一体なんの用事だと言うんだろう。


私は枕元の電気を付けて乱暴に布団をはぎ取った。


そしてスマホを見つめる。


確か、さっき電源の落としたんじゃなかったか?


しかし、寝ぼけ半分の私はその疑問を感じなかった。


何も感じず、見知らぬ名前で呼び出しを繰り返している電話に……出てしまった。


「もしもし?」


ぶっきら棒な声が出る。


すると向こうから聞こえて来たのは得体の知れない音だった。


人の声じゃない、チョロチョロと、水が流れるような音。


私はぼんやりと音を聞きながらベッドの上に座っていた。


「あなた、誰?」


人を叩き起こしておいてなにも言わないなんて非常識だ。