そこには自分の記憶通り、古いスマホが詰め込まれていた。


でも、今日来るまで見つかったスマホだけは入っていない。


車から持って下りて、今はテーブルの上に置いてあるのだから当然だった。


「おかしいわね……」


箱の中をひと通り確認して呟く。


どれだけ記憶を辿ってみても、車で見つかったスマホもこの箱に入れておいたハズなのだ。


その証拠に、スマホを購入した時にオマケでついて来た透明カバーがこの箱の中にあった。


本体とバラバラに保管したりなど、しない。


ほんの少しの気味の悪さを感じながら、あたしはテーブルに置いておいたスマホを箱の中に入れて蓋を閉めた。


そして箱をクローゼットに入れて、クローゼットの扉もしっかりと閉めたのだった。