@YUMI KO

エマの顔をした知らない誰かが、エマの体を借りて笑っている。


そんな感覚がした。


「笑ってないよぉ?」


エマはプゥッと頬を膨らませて答える。


とぼけてみせているのか、本当に覚えていないのか判断が付かない。


「とにかく、これからはもうあんな大きな声で笑っちゃダメ」


「えぇ~?」


あたしの言葉に納得いかないのか、エマは眉間にシワを寄せて拗ねてしまった。


なにか、いい言い方がないだろうか。


エマにでもわかるような言い方が……。


そう考えていた時、1台の白い車があたしたちの隣で止まった。