お父さんは眉間にシワを寄せて「ぶっそうな言葉を使う友達がいるのか」と、警戒している。


「そうみたい。それでね、今日迎えに行った時も……」


あたしは今日の出来事を身振り手振りで2人に話して聞かせた。


「あの子、貴久君のことを蹴ったの!?」


「うん。怪我はなかったしちゃんと叱っておいたけど、その前の死に方を説明したときはゾっとした……」


あたしは思い出して身震いをした。


2人とも深刻な表情になり、もう誰もお笑い番組を見ていなかった。


「貴久君の足を蹴ったってことは、園でも似たようなことをしてるかもしれないな」


お父さんが難しい表情で顎をさすりながら言う。


「そっか、そうだよね……」


そこまで頭が回っていなかった。


もし園内で同じことをしていたら、大変なことになるかもしれない。


リビングの中に重たい沈黙が下りて来る。


みんなエマの突然の異変に理解が付いていけないみたいだ。