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その日エマが寝付いたのは夜8時頃だった。


両親の寝室で寝息を立てるエマを確認したあたしは、リビングへ向かった。


リビングでは1日の仕事を終えた両親が、大好きなお笑い番組を見ているところだった。


「ねぇ2人とも、ちょっと話があるんだけど」


あたしはそう言い、テレビから一番遠いソファに座った。


「深刻そうな顔してどうしたの?」


お菓子に手を伸ばしかけた手をひっこめるお母さん。


お父さんはテレビの音量を少しだけ落として、話を聞く体制に入った。


「昨日のエマのこと、覚えてるよね?」


お母さんにそう聞くと、お母さんは頷いてくれた。


「もちろん。変な言葉を覚えて帰って来たのよね」


「変な言葉ってなんだ?」


「なぶり殺す。ですって」


お母さんは呆れたように大きなため息を吐いて言う。