「今日も光弘は休みだな」


B組の教室内で、誰も座っていない机を見て貴久が言う。


「そうだね……」


あたしは頷いて、すぐに視線を逸らせた。


光弘はショックが大きかったようで、あれから学校に来なくなった。


噂では家に引きこもっているらしい。


泣きながらあたしのことを殺そうとした光弘の顔を、あたしは絶対に忘れないだろう。


でも、いつか許せる日がきたとしたら、その時は会いに行ってもいいかもしれない。