どうやら、由美子は妊娠していたらしい。


由美子自身もそのことを気が付かず、河原へ向かった。


そして、足を滑られて転倒したのだ。


転倒した際川の中の岩に運悪く腹部を打ちつけ、そして……。


2人の愛の結晶は真っ赤な血となって川に流れた。


「こんな……嘘だろ」


友則はグッタリと横たわる由美子を見て叫んだ。


一刻も早く救急車を呼ばなければならなかったが、友則はそれができないでいた。


自分と由美子の未来はまだまだこれからだ。


俺は起業して成功し、大きな顔をして両親に顔を合わせるはずだった。


そして、愛する由美子と共に正式に夫婦になるのだ。


それが、それだけが友則の夢だった。