あたしはかるく身震いをしてエマの横に座り込んだ。


「エマ、そろそろ帰ろうか」


あたしがそう声をかけてみても、一心不乱に石を積むエマは真剣な表情を崩さない。


普段は遊んでいてもすぐに色々なものへ興味を持っていかれているエマが、ここまで熱心になったのは初めてかもしれない。


そう考えると、途中で止めるのも忍びなく思ってしまってあたしはそれ以上声をかけることができなかった。


エマの隣に直接座り、川へ視線を向ける。


流れる川は透明度が強くて、見ていると顔を突っ込んでみたくなってくる。


さっき指先で触れてみた水はほどよく冷たく、心地よかった。


エマはまだしばらく石積みを繰り返していそうなので、あたしは1人で河原へ近づいた。


靴とソックスを脱ぎ、足を放り出すようにして水につけた。


ヒヤリとした冷たさが足に絡み付いてくる。


その頃にはもう、先ほど感じた寒気のことなんてすっかり忘れていたのだった。