光弘のお父さんの書斎は一階の奥の部屋だった。
ココア色の重たそうなドアを開けると、ズラリと本棚が並ぶ部屋が現れる。
四方の壁は天井まである本棚に囲まれ、中央に小さなテーブルが置かれているだけの部屋だった。
テーブルの上には外国語の難しそうな本が置かれている。
「お父さんも勉強熱心な人なんだね」
あたしは本棚を見上げてそう言った。
一体何年かけてこの部屋の本を読んだんだろう。
こうして見上げているだけで気が遠くなりそうだった。
「結婚前までは随分貧乏な暮らしをしてたみたいだよ。その頃からずっと企業の夢を見て努力してたみたい」
光弘がそう言いながら本棚から一冊の辞書を取り出した。
表紙が色あせていて、ところどころ破れている。
年期の入った本みたいだ。
「これだよ」
光弘が辞書を開いて見せると、写真が挟まっている部分がすぐに開いた。
ココア色の重たそうなドアを開けると、ズラリと本棚が並ぶ部屋が現れる。
四方の壁は天井まである本棚に囲まれ、中央に小さなテーブルが置かれているだけの部屋だった。
テーブルの上には外国語の難しそうな本が置かれている。
「お父さんも勉強熱心な人なんだね」
あたしは本棚を見上げてそう言った。
一体何年かけてこの部屋の本を読んだんだろう。
こうして見上げているだけで気が遠くなりそうだった。
「結婚前までは随分貧乏な暮らしをしてたみたいだよ。その頃からずっと企業の夢を見て努力してたみたい」
光弘がそう言いながら本棚から一冊の辞書を取り出した。
表紙が色あせていて、ところどころ破れている。
年期の入った本みたいだ。
「これだよ」
光弘が辞書を開いて見せると、写真が挟まっている部分がすぐに開いた。



