@YUMI KO

エマを連れてやってきたのは市立図書館だった。


広い図書館の中、あたしはまっすぐに郷土資料の棚へ向かう。


エマが途中絵本コーナーで立ちどまったので、好きな本を一冊持たせてやった。


文字はまだ読めないが、絵を見ているだけでも楽しめるからだ。


あたしは郷土資料を数冊持って席に座った。


今度はユミコについてではなく、あの川と建物について調べるのだ。


エマは昨日、あの川では遊ばない。


川が真っ赤だからだと言った。


その時から嫌な予感があったのだ。


もしかして、あの川で昔事故でもあったんじゃないかと。


そしてその被害者が、ユミコという女なのではないかと。