「エマ?」
声をかけてもそれが聞こえないかのように、エマは立ち上がって歩き出した。
「ちょっとエマ」
慌てて止めようとしたが「ついて行ってみよう」と、貴久に言われ、あたしたちはエマの後ろを歩き出した。
エマは真っ直ぐに廃墟を見つめ、なんの躊躇もなく近づいて行く。
近づけば近づくほど建物の荒れっぷりが鮮明になてきて、思わず顔をしかめてしまう。
見た目もそうだが、廃墟が作りだしている恐ろしい雰囲気に足が止まってしまいそうになる。
「エマ、それ以上は危ないよ」
崩れた壁の間から廃墟の中に足を踏み入れようとするエマを、あたしは止めた。
さすがにこれ以上先に行かせるわけにはいかない。
危ないし、不法侵入になってしまう。
「でも……いるよ?」
あたしの前で立ちどまったエマが廃墟の中を指さした。
その言葉に全身が冷たくなるのを感じた。
声をかけてもそれが聞こえないかのように、エマは立ち上がって歩き出した。
「ちょっとエマ」
慌てて止めようとしたが「ついて行ってみよう」と、貴久に言われ、あたしたちはエマの後ろを歩き出した。
エマは真っ直ぐに廃墟を見つめ、なんの躊躇もなく近づいて行く。
近づけば近づくほど建物の荒れっぷりが鮮明になてきて、思わず顔をしかめてしまう。
見た目もそうだが、廃墟が作りだしている恐ろしい雰囲気に足が止まってしまいそうになる。
「エマ、それ以上は危ないよ」
崩れた壁の間から廃墟の中に足を踏み入れようとするエマを、あたしは止めた。
さすがにこれ以上先に行かせるわけにはいかない。
危ないし、不法侵入になってしまう。
「でも……いるよ?」
あたしの前で立ちどまったエマが廃墟の中を指さした。
その言葉に全身が冷たくなるのを感じた。



