@YUMI KO

それから歩いて河原に到着すると、エマは一目散に石積を始めた。


あたしもエマの隣に座り、同じように石を積み始める。


貴久は用心深く周囲を確認し、あたしたちを守るように立つ。


今日も川の流れは穏やかで、足くらいつけてみてもいいかもしれない。


「エマ。暑くなったら川に入ろうか」


「ヤダ」


「え?」


あたしは首を傾げてエマを見つめる。


エマは幼稚園でのプールが大好きだし、家でもビニールプールを毎日のようにお母さんいせがんでいる。


「どうして川は嫌なの?」


水の流れが怖いんだろうか?


そう思っていたが……「だって、真っ赤なんだもん」と、答えたのだ。