@YUMI KO

☆☆☆

3人で歌を歌いながら河川敷へ向かっていると、なんとなく照れ臭かった。


周囲からとても若い夫婦として見られているのではないかと、勝手に妄想してしまう。


「どこにいくのー?」


あたしと貴久に挟まれて歩くエマが聞いてくる。


「今日もとっても暑いから、河原で遊ぼうか」


「エマ、河原好きー! 石を積んで遊ぶの!」


「そうだね。今日はどのくらい高く積めるかな?」


「たーっくさんだよ!」


エマは両手を目一杯高く上げて答える。


「まるで別人だな」


そんなエマを見ていた貴久が呟いた。


きっと、昨日のことを言っているのだろう。


エマは普段自分のことを名前で呼ぶが、昨日は『私』と呼んでいた。


それに、幼児が使わないような言葉を次々と発していたのだ。


「こっちのエマが本物だから」


「うん。わかってる」