「エマちゃんにはユミコさんが見えてるんだ。それなら、エマちゃんに手伝ってもらうのが一番早いと思う」


「そうだけど……」


あたしは答えにつまってしまった。


正直、もうあの場所にエマを連れて行くことはできないと思っていた。


もう1度連れて行って、それでエマになにかがったら?


今度こそ、あたしの責任だった。


それに、可愛い妹を危険にさらすわけにはいかない。


「頼む。俺たちにはユミコさんが見えないし、ユミコさんの声も聞こえない。これじゃ、なにをどう助けないといけないのかも、わからないままだ」


貴久の言っていることは最もだった。


ユミコさんからの電話をちゃんと聞いたところで、どうすればいいのか見当もつかなかった。


「……わかった。エマに聞いてみる」


あたしは覚悟を決めて、そう答えたのだった。