@YUMI KO

「これ、誰?」


あたしは震える声でエマへ聞いた。


エマは笑うのを辞めて、ジッと自分の絵を見つめている。


「お姉ちゃん、あたしは河原で見えたんだよ。だからついてきちゃったの」


エマは淡々と説明しながら絵の中の白い女を指さす。


「ついてきた……?」


「うん。私はユミコさんとの唯一の接点」


あたしも貴久も絶句していた。


4歳児の言葉じゃないことは明白だった。


エマについて来たユミコさんが言わせているのだろう。


「どうしてあたしの周りの人ばかりを選ぶの!?」


あたしは思わず声を大きくしてそう聞いていた。


理香先生に穂香。


それに次は貴久の番かもしれないのだ。


「幼稚園児はスマホを持たない」


エマの言葉にあたしは大きく目を見開いた。


確かにその通りだ。


古いスマホなんて余計に無縁のものだろう。