@YUMI KO

少しは期待もあっただけに、脱力してしまう。


「そういえば、エマちゃんの様子がおかしくなったタイミングはいつなんだ?」


「えっと……」


あたしは記憶を巡らせた。


最近色々な事が沢山あって、まるで大昔のように感じられる。


でも、それもごく最近のことだった。


「河原に遊びに行ったときからかも……」


あたしは自分の記憶を引っ張り出してそう答えた。


あの河原で遊んだ時、エマは突然泣き出したのだ。


誰もいない場所を指さして。


そして、思い出してハッと大きく息を飲んだ。


「エマ、あの時も言ってた!」


「言ってたって、何を?」


「【ユミコさん】って……」


あの時はなんのことだかわからなかったし、突然癇癪を起したのだと思い込んですっかり忘れていたのだ。


でも、確かにエマはあの時から【ユミコ】さんと言っていたのだ。


「その河原に行ってみよう」


貴久に言われてあたしは大きく頷いたのだった。