例えば自分たちが知っている人間なら、まだ対処方法があったかもしれない。
自分の過去の振舞を思い出して相手に謝罪したり、相手の無念を晴らす事ができたかもしれない。
だけど、【ユミコ】とは全く聞き覚えのない人物なのだ。
「あたし、夢や幻覚で【ユミコ】らしき人を見たことはあるの」
確信はなかったけれど、あたしは貴久にすべてを話すと決めて言った。
「本当か?」
「うん。すごく細くて色白で、白いピワンピースを着ているの。ワンピースには赤い花があしらわれていて、ちょっとゾッとするような雰囲気だった」
あたしは夢の中の白いワンピースの女を思い出して言った。
「でも、それがユミコさんかどうかはわからないんだろ?」
「うん。ただ、妙なことが起こりはじめるのと同時期くらいに見始めただけ」
もしかしたら、あたしが深層心理の中で作りだしてしまった女かもしれない。
「それならあまり参考にはならないかもしれないな。それよりも、実際に着信があったユミコって女性についてちゃんと調べる方がいいかもしれない」
「でも、どうやって調べるの?」
「市立図書館へ行こう。なにかわかるかもしれない」
貴久はそう言い、ベンチから立ち上がったのだった。
自分の過去の振舞を思い出して相手に謝罪したり、相手の無念を晴らす事ができたかもしれない。
だけど、【ユミコ】とは全く聞き覚えのない人物なのだ。
「あたし、夢や幻覚で【ユミコ】らしき人を見たことはあるの」
確信はなかったけれど、あたしは貴久にすべてを話すと決めて言った。
「本当か?」
「うん。すごく細くて色白で、白いピワンピースを着ているの。ワンピースには赤い花があしらわれていて、ちょっとゾッとするような雰囲気だった」
あたしは夢の中の白いワンピースの女を思い出して言った。
「でも、それがユミコさんかどうかはわからないんだろ?」
「うん。ただ、妙なことが起こりはじめるのと同時期くらいに見始めただけ」
もしかしたら、あたしが深層心理の中で作りだしてしまった女かもしれない。
「それならあまり参考にはならないかもしれないな。それよりも、実際に着信があったユミコって女性についてちゃんと調べる方がいいかもしれない」
「でも、どうやって調べるの?」
「市立図書館へ行こう。なにかわかるかもしれない」
貴久はそう言い、ベンチから立ち上がったのだった。



